動的エキシトンの学理構築と機能開拓

2023年2月8日(水) 15:00~16:50オンライン開催
聴講を希望する方はこちらよりお申込みください。
https://forms.gle/2Az3n2ARoCrTutEbA

講演1　15:00~15:50
講演者：岡本 翔（神戸大学　助手）　　
題目：「三重項ー三重項消滅過程におけるスピンダイナミクス」
要旨：三重項―三重項消滅(TTA)は、二つの三重項励起子が出会い、新しいエネルギー状態を生成する化学反応過程であり、最近では低エネルギー光を高エネルギー光に変換する光アップコンバージョンなど光エネルギー変換技術の関連分野で注目されている。励起子の衝突前後でスピン状態が変化する面白い反応過程であるが、そのスピンダイナミクスは非常に複雑である。本講演では、TTA過程の概要および時間分解電子スピン共鳴法を用いたTTA過程のスピンダイナミクスについての最新研究を紹介する。

講演2　16:00~16:50
講演者：中野谷 一（九州大学　准教授）　　
題目：「有機薄膜中での自発的な励起子解離」
要旨：有機薄膜中での励起子生成および解離過程は、有機半導体デバイスの根幹をなす電子遷移過程である。そのため、一連の励起子素過程を理解することは、さらなる素子性能向上ためにも重要である。近年我々は、（１）極性分子膜中で生成した励起子が自発的に自由電荷へと解離していること、（２）励起子解離はスピン選択的に生じていること、（３）生成した電荷は１ヶ月間以上薄膜中で安定に存在できることを見出した。本発表では、これらの詳細について議論したい。