動的エキシトンの学理構築と機能開拓

2023年4月19日(水) 15:00~15:50オンライン開催
聴講を希望する方はこちらよりお申込みください。
https://forms.gle/3P82pNn7Wh2YLX3E6

講演1　15:00~15:25
講演者：髙瀬　雅祥（愛媛大学　准教授）　　
題目：「芳香族求核置換反応を鍵反応とするπ電子系の合成と物性」
要旨：電子不足芳香環に対する置換反応は、芳香族求核置換反応として古くから知られている。我々はピロール類を用いる芳香族求核置換反応に着目し、含窒素拡張π電子系化合物の合成と光学、酸化還元、芳香族性などの基礎物性評価を行ってきた。本セミナーでは、これまでに行ってきた拡張π電子系に関する研究を紹介するともに、動的エキシトン解析に資する環状集積型π電子系に関する研究展望についても簡単に紹介する。

講演2　15:25~15:50
講演者：谷　洋介（大阪大学　助教）
題目：「動的な立体配座変化と多配座性に基づく有機分子の室温りん光機能」
要旨：有機分子は通常、室温ではりん光を示さない。これは、スピン禁制過程であるりん光の遷移確率が有機分子では極めて小さく、りん光が“遅い”ことに由来する。我々は、独自に開発した分子骨格「チエニルジケトン」が高速りん光を示すことを見出し、様々な室温りん光機能を開拓してきた。本講演では、特にその動的な立体配座変化と多配座性を利用した最近の成果と、研究領域における今後の研究展望について紹介する。