イベント
第17回動的エキシトンセミナー
2023年6月7日(水) 15:00~16:00オンライン開催
聴講を希望する方はこちらよりお申込みください。
https://forms.gle/JgCrhLNULDYnZLrK9
講演1 15:00~15:25
講演者:田村 宏之(東京大学・特任准教授)
題目:「有機薄膜太陽電池における励起子の電荷分離機構の理論的解明」
要旨:高効率な有機薄膜太陽電池のアクセプター分子として電子供与基と吸引基が連結したITIC系やY6系が開発されているが、分子構造が光電変換機構に与える作用機序は未解明である。特にバンドオフセットが小さいドナー/アクセプター界面で励起子が静電障壁を超えて電子と正孔へ電荷分離するメカニズムは不明である。本発表では、励起子の電荷分離に関する我々のこれまでの研究と[1]、本研究計画で取り組む非フラーレン有機薄膜太陽電池の光電変換機構の理論研究について紹介する。
[1] H. Tamura, I. Burghardt, J. Am. Chem. Soc. 135, 16364 (2013).
講演2 15:25~15:50
講演者:堀内 新之介(東京大学・講師)
題目:「環状有機ホストと遷移金属錯体からなる分子集合体の創出とその光物性」
要旨:複数の分子コンポーネントからなる超分子複合体は、特異な集合構造から生まれる新奇な性質が組み合わさることで、分子単独では達成できない新たな現象を創出できる。例えばこれまで我々は、電荷移動(CT)が関与する励起状態から発光を示すカチオン性Ir錯体を環状有機ホストと超分子化させると、Ir錯体の発光特性が向上することを明らかにしている。本講演では溶液中における分子集合体の形成とその光物性変化に関する成果に加え、最近得られた特異な集合構造をもつ結晶性化合物について紹介する。